Renaissance Man

とにかく、あれこれやってみる。

全国美術・教育リサーチプロジェクト2018「美術の授業ってなんだろう?」


 

美術教育のゲンバ、見てきました!

 

 

東京藝術大学美術館にて…

幼稚園から大学まで美術教育の流れを体感する展覧会
― 全国美術・教育リサーチプロジェクト2018 ―
「美術の授業ってなんだろう?」

…長いタイトルですが、美術教育に関する展覧会が開催中です。

 

小中高大にて行われている美術教育を一望できる展覧会です!

こちらから会場内の様子が一望できます!!!写真撮りまくりました!笑

 

結論から言えば、オススメの展覧会です!

 




 

 

なぜオススメなのかというと、自分はふたつの点で参考になりました!

1点目は、ふだんあまり訪れることのない学校の中での美術の授業の一端が垣間見れたことです。

 

自分が生活している範囲ではまず触れることのない世界を見れたのが興味深かったです。

一応、中高の美術教員の免許を持っておりますが、久しく学校でどのような内容の美術の授業が行われているのか、知らなかったので、最新の現場の知見が得られたのが新鮮でした!

 

2点目は、ワークショップの参考になる授業がたくさん行われていたことです。

言うなれば、自分が開催するワークショップの際に使えそうなものをたくさん盗めた点です。

 

参考になりそうだと思ってたのは、こちらです。

ねぶたの要領で、針金と障子紙をベースに動物を作ります。ビジュアル的にも面白く、DIY感覚で動物を作れるのでモノを生み出すことができる、実感を得られる授業です。飾られた空間は一気に華やかになりますね。学内だけにかかわらず、屋外に飾ってみるとまちそのものがワクワクに包まれます!

 

他にも、こちらも参考になりました!

 

はじめのひとふりを無意識に行い、そこから立ち上ってくるイメージを具現化していく授業です。ふだん私たちの生活では墨に触れることはまずありません。墨の持つ、にじみやぼかし、濃淡のメリハリなど、ことばではまず表現できない、味わいのある表情を感じられます。

話が少しそれますが、世界を概念で見てしまうと判断を誤る機会が多々あります。レイシズムやらLGBTやら移民の問題など、基本的には概念で考えるから起こる問題だと思います。じっくり、そこにあるひとりひとりに、目を向ける、その概念に、ことばにならない情報を感じ取る能力を、こうした墨のことばにならない表現から学べるのかなと思います。世界の解像度をあげると、グッと世界は美しくなります。ひょっとしたら、美術教育は世界をよりよく感じる感度をアップさせることに寄与できるのかもしれません。

 

さらに、こちら!

原爆をテーマにしたマンガ作品を描かせる授業です。幸せな情景が一気に破壊されるカタルシスを上手くとらえている表現が展開されています。人類の悲劇をマンガ家することで、教科書では一瞬で素通りする内容も、このようにじっくりと向き合う時間を持つことができるのもグッドポイントです。原爆のみならず、地震や台風といった身近な自然が及ぼす悲劇にも応用することができます。

 

他にも、さまざまな授業実践が紹介されております。こちらからご覧ください。

 

大変見ごたえのある内容でした。ある程度、全国から精査された質の高い授業が紹介されているので、内容的にもビジュアル的にも面白いです!

 

小中高のみならず、藝大での講義も紹介されておりました。

 

わが芸術学科の講義まで紹介されるてんこ盛りな展示です。もちろん王道である絵画の技材の紹介もあります。

 

 

 

一応w本展覧会の全体像を紹介しておきます。展示の目的や概要は以下の公式文をご参照ください。

 

本プロジェクトは、多様な感性を育む「美術」においてその「授業」の具体的な内容をリサーチすることで、授業そのものの多様性を通じ美術・芸術について教育現場の理解を深め美術界全体の活性化に繋げることを目標とします。現在、幼稚園から現役大学生までどのような「美術の授業」が行われているのか?特に注目すべき授業は、どのような内容でいかなる作品が制作されているのか?東京藝術大学では、各科どんな授業が行われているのか?リサーチ結果をパネルや映像、実作品によって一望できる展示を東京藝術大学大学美術館で展開します。
また、本年度から芸術教科の所管が文部科学省から文化庁へ移管されることになり「学校教育における人材育成からトップレベルの芸術家の育成まで一体的な施策」が求められています。その意味においても本プロジェクトは、広く日本の「美術・教育」の可能性を考えてくため全国的にアーティスト、教育関係者等の問題意識を共有し議論を高めていきます。そして本プロジェクトにより全国での「美術・教育」関係者ネットワークの繋がりを深め文化芸術基盤構築を目指していきます。

 

端的に言えば、以下の点にまとめられますね!

(1)美術の授業を調査して、その知見を美術業界全体の活性化に繋げる

(2)(1)の調査結果を展示する

(3)全国での「美術・教育」関係者ネットワークの繋がりを深め文化芸術基盤構築を行う

 

 

このプロジェクトがどのように展開されていくのか、わたし自身も実践者として考えながら走っていきたいと思います。

 

 

 

展覧会概要

– – – – –

幼稚園から大学まで美術教育の流れを体感する展覧会
― 全国美術・教育リサーチプロジェクト2018 ―
「美術の授業ってなんだろう?」

会期
2018年10月2日(火) – 10月21日(日)
午前10時 – 午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(10月8日は開館)、10月9日

会場
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3、4

観覧料
無料

主催
東京藝術大学美術学部、東京藝術大学美術学部 杜の会

特別協賛
三菱地所株式会社

協力
全国芸術系大学コンソーシアム、全国国立大学附属学校連盟

本プロジェクトは、多様な感性を育む「美術」においてその「授業」の具体的な内容をリサーチすることで、授業そのものの多様性を通じ美術・芸術について教育現場の理解を深め美術界全体の活性化に繋げることを目標とします。現在、幼稚園から現役大学生までどのような「美術の授業」が行われているのか?特に注目すべき授業は、どのような内容でいかなる作品が制作されているのか?東京藝術大学では、各科どんな授業が行われているのか?リサーチ結果をパネルや映像、実作品によって一望できる展示を東京藝術大学大学美術館で展開します。
また、本年度から芸術教科の所管が文部科学省から文化庁へ移管されることになり「学校教育における人材育成からトップレベルの芸術家の育成まで一体的な施策」が求められています。その意味においても本プロジェクトは、広く日本の「美術・教育」の可能性を考えてくため全国的にアーティスト、教育関係者等の問題意識を共有し議論を高めていきます。そして本プロジェクトにより全国での「美術・教育」関係者ネットワークの繋がりを深め文化芸術基盤構築を目指していきます。

【関連企画】
1. シンポジウム
「日本・美術・教育」
芸術系大学の美術・教育はどこへ向かうのか?

日時:
10月2日(火)15:30 〜 17:30

会場:
東京藝術大学上野校地美術学部絵画棟1F石膏室
〒110-8714 東京都台東区 上野公園12-8

登壇者:
小池一子(十和田市現代美術館館長、武蔵野美術大学名誉教授)
長田謙一(名古屋芸術大学 芸術学部教授)
日比野克彦(東京藝術大学 美術学部学部長)
藤浩志(秋田公立美術大学 教授)

司会:
中村政人(東京藝術大学 美術学部教授)

2. ラウンドテーブル(美術の先生たちによるディスカッション)
「美術による教科教育と美術の専門教育を考える」

日程:
10月7日(日)15:00 〜 17:00

会場:
東京藝術大学上野校地美術学部大学美術館 本館3階
〒110-8714 東京都台東区 上野公園12-8

登壇者:
百瀬剛(宝仙学園小学校 教諭)
落合良美(東京都立小石川中学校 教諭)
風間正幸(千葉県立船橋高等学校 教諭、全国高等学校美術工芸教育研究会 理事長)
荻原克哉(東京都立総合芸術高校 教諭)
荒木慎也(成城大学他 非常勤講師)
石井壽郎(東京学芸大学 准教授)
木津文哉(東京藝術大学 美術学部教授)
伊藤達矢(東京藝術大学 美術学部 特任准教授)

司会:
中村政人(東京藝術大学 美術学部教授)

問い合わせ
ハローダイヤル 03-5777-8600

by 一ノ瀬健太




 

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