若冲展行ってきたよ(現場リポート)
若冲展行ってきたよ
昨日、東京都美術館にて開催されている巷で話題の、超行列・中高年のディズニーランドとして名高い若冲展に行ってきました。東京カレンダーの意識高い男女・綾や拓也のように優雅にリポートをお届けします!
まとめとしては…
⑴行ってよかった!
⑵見るのは絶対朝一番始発(泊り)組
⑶動植綵絵やっぱいい!展示空間がなんか浄土っぽかった!
⑴行ってよかった!
カンカン日照りの中の超行列を見て、全く行く気がしない!このクソ暑い中で、なんでこんなにも並んでるのか全く理解不能、死人が出る、シルバーデイには確実に病院送りが出る!そもそも人が混み合っている中で鑑賞するなんて全くナンセンス!欧米のアート鑑賞にならえば人がパラパラまばらな中で落ち着いて見るものだから、今回の展示を見にく奴は超ミーハーのクズ野郎だ!!!
…と思い、俺は絶対行かないぞ!誰がどんなことを言っても絶対行かないからな!行く奴はモグリだ!と喝破しておりましたが、だんだん会期が終わるにつれ、行列の話題が大きくなるにつれ、なんだかソワソワしてきて、まぁ、行くつもりはないのだが、NHKスペシャルの若冲特集を見て、お、おう、若冲ってなんかすごいな。。。と思うようになり、まぁ、勉強のために、美の巨人・若冲特集も後学がてら見ておくか。。。お、おう。。。若冲ってすごいな。。。。と思っているうちに、残り、後2日となり…
若冲展リポートをフェースブックでしている方を見て、バカじゃないか笑!!?と思っておりましたが、あそこに行くとバカになります笑やることがないから仕方なくケータイをいじっちゃうんですねぇw
こればっかりは、仕方ない。今まで散々ディスっていたことをここにお詫びします。行けて本当に良かったです。めっちゃ良かったです。特に1階の釈迦三尊像と動植綵絵は壮観でした。
美術館から発せられる、どや?みたいんやろ?見せてやるがな。ほらほら、どや?という高飛車で上から目線がとても嫌なのですが、やっぱり普段見られないものを見るのはありがたく、見れて良かったなと思いました。
若冲作品が一堂に並ぶのは300年ぶりと高らかに語られておりますが、実際には2007年に相国寺で釈迦三尊像と動植綵絵が展示されたので約10年ぶりなのですが、芸大で勉強していると、デューラーやクラナハ、ティッツィアーノなどの大作家の大規模展覧会は基本的に20年に一回だと言われておりますので、今回の展示もおそらく20年後にはまた見られるのは20年後でしょう。今回を逃すとまた20年後なので”語り部”としてやっぱり見ておこう、というか、何よりも、せっかく人間に生まれてきたのですから、面白い経験は積んでおこう。そう思いまして、行ってきました!
⑵見るのは絶対朝一番始発(泊り)組
見るからには、戦略が必要と考えました。
①作品の全体像が見たい!
②日照りの日中には絶対並びたくない!
③自慢したい!
…以上から必然的に導かれた結論が、朝一に並ぶということでした。
朝4~5時一番乗り組がベストです。
早起きは大の苦手で嫌いですが、朝5時に起きて、5:30に並ぼうと思っていたのですが、前日にチケットを買う際にトビカンのスタッフの方に、何時から並んでますか?その際に何人くらいいますか?ということを尋ねたところ、朝4時から並んでる人がいますよ、という貴重な情報をゲットしました。そのため、やはり、時間を早めて4:45分起き、5:10分頃に並ぶという戦略をとることにしました。
前日は、少しでも寝る時間を稼ぐために、着る服やタオル、日傘(朝一組は日陰になっているので、全く必要なしでした!)、座るシート、万が一寒かった時のための上着と、起きたらそのまま手られるように装備を固めておきました。
徐々に夜があけるにつれ、行列が伸び、7時にはかなり長い列が形成されていましたが、トイレに行くがてら長い行列を見て、入試で遊ばず早く並んでおいてよかった(踊る大捜査線の筧利夫風)と何度も心の中で唱えました。
とはいえ、それはネタですが、一番よかったのは、待ち時間の作業がはかどったことです。私は本を読んでいましたが、最高に涼しく、いい感じの雑音もあって、ものすごく本を集中して読むことができました。一緒に行ったぶり子さんはゲームボーイカラーのドラゴンクエストモンスターズをやり、やまたのおろちを作ろうと頑張っていました。
ぶり子さんの写真
普段はアプリのドラクエをやっているのですが、最近、ゲームボーイにはまってくれたので一安心です。アプリは教養にならないので、ぜひファミコンやスーファミ、ゲームボーイを推奨しています。後ろの男の二人組みがドラクエの会話をしていたので、ぶり子さんはいつも自分が口を酸っぱくして語っている、男の子の教養はこれからゲームになっていくから、ということを実証するケースでもあったので、とても良かったです。
8時には、もう旧奏楽堂までずらり。。。おトイレに行っている間にもまた行列が長くなります。延伸速度は分速5メートルですwww
また、オープン直後一番乗りは、人が誰もいない状態で館内のすべての作品の”画面下部も含めて”鑑賞することができます。
若冲展。雨や日差しのもと4時間の行列に並んだその先に待ってるのがこれだからなぁ…中も激混みで…肝心の動植綵絵の前はだいたいこんな感じ。群鶏図の前には群人鑑賞図というインスタレーションアートが…鶏は半分も見えんよ。 #若冲展 pic.twitter.com/phuEmkJTFV
— ウラケン【ulaken. com】 (@ulaken) 2016年5月18日
すらすらっと一回の作品を泣く泣く割愛全体鑑賞しながら、前にいた20人くらいを競歩で追い抜き上階からは無双モードです。
お気に入りの作品群を数分独り占めしてみみっちいブルジョワ優越感に浸れて¥最高でしたw
鳳凰図、群鶏図、クジラと象、野菜涅槃図、群鶏仙人掌図、これらの作品を数分の間ではありますが独り占めできたことが贅沢でプレステージな気分に浸れました。
作品下部の様子を間近で観れたことはガチでよかったです。自分が画家として目指すべきレベルが見えた気がしました。雲の上ですが、その雲の上の高さを科学的に理解し、そこに戦略的にたどり着けるように自分を耕していけるモデルを得た気がします。
現場からの実況中継!
一周目は誰もいません。
続いて、二周目です。二周目もまだまだ鑑賞に余裕があります。ガラス面に一層の人の層ができているくらいでした。オープンして20分後くらいでしょうか。
続いて三周目です。ガラス面には2~3層の人の層ができていました。この頃には軍鶏図などの有名どころに人が群がり始めていました。
四周目です(なんてミーハーなんだ自分!!しかし、やっぱ何度見ても楽しい!!!祭りだわっしょい!\(^o^)/)!
この頃には入り口一番初めの鶏図が4~5層の人だかりができていました。やはりどの展覧会でも一番初めの絵には人だかりができるものですね。オープンから45分くらいで、スタート地点の地下1階では、どの作品にも人の層が4~5になり、名実ともに、ツイッターで上がっていたあの絵のまんま、上の方しか見えないという状況になりました。フロントラインの阿鼻叫喚から一歩引き、日露戦争の司令官のように後方から単眼鏡で作品の上の方の細部を舐めるように鑑賞しておりました。1階も同じです。かろうじて、2階はまだ人の層は2~3とそれほどごったがえしているわけではありませんでしたが、ここで離脱(リダッツ\(^o^)/)64のスターフォックスのように離脱しました。
以降は、その状態が閉館まで続くので、行くならダントツで始発組かまたは山装備深夜組かまたは前入り泊まり朝4時組を断固としてお勧めします!!!
たとえコンクリートの溶ける昼のうだる暑さの中で並ぼうとも、人でごった返していようとも、たとえ細部まで見れなかったとしても、釈迦三尊像と動植綵絵とに囲まれる身体感覚はぐっとこたえるものがあります。行列学的、身体論的にアウラを考えたり、なおかつ日本型美術受容を考える上でも行列に並ぶ、人混み中で鑑賞するという体験は血肉としてまた実際にその場にいたものとして、これからの自分の発言にしっかり”重み”をのせて語ることができるのではないかと思っています。
あと1日という超ヤバスケジュールですが、一見の価値はあると思います。ぜひいらっしゃることを強くお勧めします!以上、現場からのリポートでした!
31ちゃいになりました。越後スター・けんちゃんだんご
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