Renaissance Man

とにかく、あれこれやってみる。

じいさま、ありがとう(億葉集)


婚姻届、出してきました!

 

本日は一粒万倍日と大安、さらに天赦日とが重なる一年でたった一度の超レア日!

めっちゃ混むかなっと思っておりましたら、午前中の時間はめっちゃ空いてました!

つくづく、どこまでも運のいい男です笑

 

台東区役所に台東区70周年記念婚姻届を出し、これで晴れて、私、身も心も完全に台東区っ子となったわけです。

新潟から上京した私、藝大に入学した時に新歓で見たあの桜から、はや10年。

まさか、東京で所帯を持ち、台東区にどっぷり浸かるとは思っても見ませんでした笑

 

さて、そんな感じで、また詳しくは#億葉集で報告させていただきます!

 

まずは本日の#億葉集!どうぞ!今回はじい様のお葬式編です!

 

じい様、ぶり子さんと一緒になったぞ!じい様ばあ様のような仲のいい夫婦になるなり。

目標は金婚式なり。

 

– – – – – –

 

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体面をすごく気にする父です。
それを反面教師としたわたしは体面を絶対気にしないで生きてやろうと強く決心しました。
組織の中での忖度を絶対しないような人間になってやろう。
灰谷健二郎の『兎の眼』を読んだわたしはたえず抵抗する人間になろうと決心したのです。

ひょっとしたら、今も実の父よりも自分の体面を気にしているのかもしれません。そんなことはないとは思いますが。。。父への感情とは複雑なものですね。

 
詠める、
 

実の父
よりも自分の
スピーチが
大切なのか
南無阿弥陀仏

 

 

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93歳まで生きれば自然と同世代は死んでしまってあの世で待っているか、
または病院でそっちにいくのを待っているかのどちらかです。
じいさまのお葬式にもじいさまと同世代の人の姿はおらず、
どちらかといえば父の町内会での友人が多くいらっしゃっておりました。

みなさん、わたしが小学生の頃、月岡温泉に町内旅行でご一緒した時の方々ばかりです。
町内会のお昼では、みんなで集まってお弁当を食べる時間があり、お酒も入ってましたから、
徐々にカラオケ大会がはじまり、子どもたちを盛り上げるために、父の友人のおひとりがちびまる子ちゃんの、
ぴーひゃらぴーひゃら、パッパパラパーを選曲してくれました。

その方がこちらにいらっしゃり、わたしと弟、私たち兄弟の友人数人を舞台に立つよう促したのですが、
わたしはその方にわるいあまり、ステージに立ちたくないものの、曲のイントロ部がはじまりそうなので、
立とうとしたのですが、あろうことか、わたし以外のみんなが全員逃走、わたし1人で舞台に立つわけにも行きませんから、
父の友人の方には大変申し訳ないまま、私もともに場内を後にしました。

去りぎわ、スリッパを履きながらその方を見ますと、イントロがはじまり、キャンセルの仕方も分からなかったのでしょう。
なんでもかんでもみん〜な〜、お〜どりをおどっている〜よ〜、と歌っていらっしゃいました。
みなさん、お酒もいい感じに入っておりますから、基本的に誰も見ていない状況です。
カラオケのモニターや機材をカチャカチャ叩いているのですが、一向にキャンセルできない様子で、
ぴーひゃらぴーひゃら、とサビの部分まで歌われてしまったのです。
それ以降、その方のあだ名が、私たちの中で、ぴーひゃらおじさん、となったことはもはや説明不要でしょう。

ちなみに、その、ご飯時間の時に町内会長の乾杯の挨拶の時に、
うちのじい様は早く食べたいあまり、話の途中なのにもかかわらず、おしぼりをバンと叩いて開けたそうです。

 
詠める、
 

ぴーひゃらと
26年
時が経ち
おしぼりバンも
なつかしかりけり

 

 

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お経の時間も終わり、おときの時間です。
町内会のみなさん、親戚一同が席に座り、美味しいお料理とお酒をいただきます。

お時がはじまってすぐ感度の鋭い私ですから、仏壇的なところにいる、
じいさまのお酒が入っていないことに気づきました。おやじか母が気づいてもよさそうなのですが、
気づかずです。

彼らの怠慢や気づき力不足を指摘するつもりは毛頭もありません。
いえ、やはり、これは浪人時代に毎晩、じいさまのグラスにスーパーで一番安い発泡酒、
ちなみにgent という種類のお酒(誰も知らないことでしょう、億り人になったとしても、
わたくしあの発泡避けの味は忘れません。しかしながら、もはや生産されていないのかもしれません、
わかりません。超高額なアート作品に囲まれながらどん兵衛を食べるということに近いのでしょうか。)
を注いでいたわたしのじいさまへの最期のしごとであると思い、その役目を果たさせていただきました。

じいさま、乾杯ですて…

わたくし、一気にビールを飲み干しました。

じいさま、これからも見ていてくんろ。

 
詠める、
 

幾たびも 注ぎしビール 今は亡く

 

 

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ろうそくと線香の火を消さないように寝ずの番です。
とはいえ、絶対消えない極太のろうそくととぐろを巻いた超長い線香なので消える心配はまずありません。

昨年にばあさまの葬儀を同じ場所で行なっておりますから慣れたもの。
慣れたくないもの慣れてしまうのは人間の性ですね。
飲み放題のドリンクが飲めなくなること、お時で余ったものを控え室にもってきてくださること、
お風呂のお湯が最高にしても熱いのが出ないこと、など昨年気づいたことが強化学習されていきます。

関係の近しい親族のみが残り、親父もおかんも皆寝てしまいました。
じいさまと自分との静かな時間です。

膨大な時間をじいさまと過ごしてきましたが、思い出せるのはほんの数えるほど。
言われれば思い出すにせよ、自分から能動的に思い出せることというのは意外に少ないのかもしれません。

誰しもがいつか通る道。誰しもがいつかは通られる道。

 
詠める、
 

寝ずの番
とぐろを巻いた
毎日香
使い勝手の
アメニティーかな

 

 

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死んで3日目でしょうか、親父やおかんはじいさまが腐ってきたといいます。
においもしてきたというのです。
まぁ、言われてみればというくらいでしたが、親父から葬儀場の方になんらかの処置をしてくれと伝え、
やってきました!おくりびとっぽい人!

めちゃめちゃ丁寧にあつかってくれコントっぽかったです。
喉のあたりの壊死のスピードが速かったのか肌の色が紫色になっていたので、スタッフの方の念能力、
薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)で、なんとか、ごまかしていただくことに成功しました。
別にだれをごまかすこともないのですが、まぁ、親父の顔をたててくれたのでと思います。

 
詠める、
 

 
3日経ち 早くも腐る 祖父母かな

 

 

 

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最期の別れの時間です。最期とは言っても物質としての最期の別れの時間です。
ナームとルーパでいうなら、ルーパとしての最期の時間です。
棺を開けてみると、中にはじいさまの思い出の写真たちが入れてありました。
ゲートボール大会の写真、デイサービスでとった100点のテスト、わたしが小学生の頃飼っていたニワトリ、
優良運転手の証明書(ちなみにじいさまがバイクから、自転車、徒歩へと移動手段が変わる姿を見ておりました)
などが棺の中に入っておりました。

わたくし、まだじいさまの写真などを電子データ化しておりませんでしたから、
これにややブチ切れ。父は自分のものは一切断捨離をしないのですが、
人のものならなんでも断捨離してしまう男ですので、案の定、じいさまののもの死ぬなりすぐこのような形で処分されたわけです。
しかし、わたくし、スマナサーラ長老の『怒らないこと 役立つ初期仏教法話』(サンガ出版)
を読んでおりましたから、怒りを鎮め、親父なりのじいさまへの手向けなのだと納得させたのでした。

 
詠める、
 

断捨離を
死んだ直後に
される祖父
思い出のシーン
みな燃やさるる

 

 

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物質的にじいさまと最期のお別れです。
やはり、やはり、名残惜しい。モノとしてでもいいからあり続けてほしい、
そう思ってしまうものですね。

それを火葬というかたちで、執着を断ち切らせる装置が日本の葬儀のフィナーレなのかもしれません。
土葬でミイラになるじいさまか、瞬時に灰となるじいさまか、どちらがいいのでしょうか。

とりあえず、次に出てきたときにはじいさまは骨になっています。
身体は朽ちるとも思い出は朽ちず、といいたいところですが、思い出す身体がなくなったとき、
じいさまの思い出も消えてしまう気がしてます。宇宙だけが私たちのロンドを覚えていてくれるのかもしれません。

 
詠める、
 

さよ、おなら
ぷぅっ、で笑う 小学生
だった頃から
じいさまいつも
ありがとう
今では博士の芸術家

 

 

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ババーン!っつっと!こんがりトウモロコシ!ではありません!じいさまです!
これ、93歳の骨です!めちゃめちゃ骨太です!
それにこんなに頭蓋骨がしっかりした焼き上がりを見たことがなかったので超びっくりしました!!!

じいさまは身体が強いのが自慢でしたので、私も隔世遺伝でじいさまの考え方や性格
、身体の強さを受け継いでいるので、なんだかうれしくありがたい気持ちになりました。
ふだん、ロスカットは喰らいましたがwふだん自分が健康でいられることにご先祖さま、じいさまには本当に感謝です。

最期までじいさまは、良き師として、その死をもってわたしに人生かくあるべし!
という教えを教えてくれました。ツァラトゥストラよりもじいさまから学んだことの方がどうやら大きそうです。

子どもの頃にテトラポットに溺れた自分を助けようと釣り糸を掴み小指を失ってしまったじいさま、
ヘラブナ釣りを教えてくれたじいさま、トマトやキュウリに猫のおしっこをかけられ激怒していたじいさま、
浪人時代を本当に支えてくれたじいさま、毎日デッキー401のウオロクでトンカツを買ってきてくれたじいさま、
ロイヤルホスト県庁前店の深夜バイトでおやじの靴を借りたため足が納豆のように臭くなったときにも、
風呂を温めてくれたじいさま、ROUND1から深夜の帰宅に、家の前の電気をつけて待っていてくれたじいさま、
その際、同じくデッキー401のウオロクで一番安い発泡酒(Gent)を買っておいて、
テレビのある居間に置いておいてくれたじいさま、いつもぬるかったよ笑年末年始、
口の周りに寿司のご飯粒をつけていたじいさま、お土産の最高級日本酒を飲まずに、
またはちびちび飲んでいたじいさま、帰るたびお年玉をくれたじいさま…

 
う、、うぅ、、これからお年玉がもらえないというのはあまりにも悲しすぎます。
正直、じいさまが死んだ以上に悲しいです。

 
詠める、
 

骨太の
隔世遺伝
日々感謝
朝(あした)には
睾丸ありて
夕(ゆうべ)には
白骨となれる
身成金祭り
おとしだま
もうもらえない
かなしいな

 

 

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ダミアン・ハーストさんがダイヤモンドを埋めた髑髏を作りました。
わたしも対抗してじいさまの頭部の骨を金メッキにしようと思います。
タイトルは『ゴールデンじいちゃん』。非売品にしようと思うのですが、
さすがに数億円の値段がついたら売ってしまいそうです。
うーん、悩みどころですね。

髑髏をじーっと熟視しますと、次は自分なのかもしれないと思えてきます。
あなたは、日々、込めて生きてますか?わたしは込めて生きていないような気がしております。
これを見ると、いくばかりか、明日はちょっと込めて生きられるような気がしてきます。

 
詠める、
 

頭蓋骨 ジッと見つめる 次は俺

 

 

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東京地検特捜部のようにがっちりとじいさまを持ってお時に向かいます。
日大のタックルが来ても落とさないようにワキで固めてます。
ずいぶんと軽くなりました。

 
詠める、
 

かしゃかしゃと 擦れるかろきや カルシウム

 

 

 

この日の活動の記録写真が、たぁ〜っくさん!とてもよい写真がありますので、ぜひご覧ください!(^-^)

グーグルフォトで恥ずかしい写真も共有中!?

 

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