魔都・上海・我愛
魔都上海気沸騰
五彩絢爛魂逍遙
芙蓉狂乱咲華柔
熱烈按摩絶頂上
『上海腹上想君』一ノ瀬老師
上海アートフェア2019にて、同世代のアーティストたちをキュレーターとして売り込む仕事の傍ら、思いっきり遊んできた。搬入から搬出まで埃をかぶり、汗をかき、口角泡飛ばし作品の魅力を来場者に解説し、思いっきり働いた。その分の反動で思いっきり遊んだ。
島耕作のように、世界各地に恋人がいるような人生に憧れをもちながら、気づけば結婚もし、34歳になった。
あと少しでもう不惑。ワンチャンばかり狙っていた童貞は、最近、オトナな遊びを覚えつつある。
さて、上海でたまたま出逢った女性とデートしてきた。
友人たちと本当にたまたまいった繁華街通りのガールズバーで出逢った。話は、いつ日本に帰るかというお決まりの流れに、友人たちは先に帰国する旨を伝えた。自分だけがもう1日滞在するので、お酒のノリで試しにデートに誘ってみた。
なんと、結果はおっけー!ジョン万次郎も開けてびっくり玉手箱である。
もちろん、WeChatは既にiPhoneアプリにダウンロード済み。バイドゥーマップもしっかり実装済み。チャンスはしっかりと準備をしているものに訪れるのだ。
お互い連絡をしっかり取れるようにし、その日はきれいにお別れ。
精神的に童貞のわたしは嫁以外の女性とデートをしたことが数える程しかない。片手で収まる。
しかし、最近、ある程度経済力をつけ、色々と夜の遊びへのお誘いも受けるようになると精神的童貞の精神をコントロールできるようになってきた。
翌日、滞在先であるオレンジホテル近駅の Weining road で待ち合わせ。
日中色々と連絡を取りつつ、緊張しつつ、歩んでいくと、そこに彼女はいた。
魔都・上海の夜は熱く、沸騰気味だ。
案内されるがままに、五彩の絢爛犇めくまちを闊歩する。美女と歩む道は、自然と胸板も厚くなる気がする。
ふと、わたしの中で変化に気づく。
なるほど、これが男というものか。男女雇用機会均等法が1985年にできてからはや34年が経つも、高度経済成長期のホモソーシャルな男たちが堪能してきた、この人生を楽しんでいる感、を初めて体感した。なるほど、これが男としての余裕、自信か!と。
これまで恥ずかしながら、経済的な背景と精神的童貞という2つの理由から女性と歩くという行為を全くしておらなんだ。そのため、どこか女性と接するに恥が入る。それは、きっと落ち着きのなさや焦りとなって表に現れ、それを女性は感じ取り、結果、ワンチャン狙いの絶対ワンチャンない奴になってしまうというループだった、ということに気づいた。
女性と下の者は、上の者の無能を簡単に見抜く。女性ほど、”観ている”者はいない。男の良い部分、ダメな部分を一瞬で察知し、振る舞う。かくいうわたしも見抜かれているのだろう。それでいい。今日は、ちょいワル親父(パパ)なんだ。
Weining road駅から南に行った繁華街、昨晩のガールズバー近くの上海料理やへ案内された。ちょっとまだ警戒していたものの、紹興酒も身体に沁みてきて疑いも何処吹く風、気持ちよくなって、なすがままにしようと思った。
がっつり食べて、しかも、なんと!採れたての魚介類を料理までしてくれることを教えてくれた。しかも、これで、日本円で4000円!!!安い!
ほろ酔い気分でなすがままに、高級そうなクラブへ!
え〜い、ままよ、世界よ踊れ!
そして、またここではたと気づいた。
そう、これは、あの!有名な…
同伴
…というものである!人生初の同伴は、なんと上海だったのだ。日本にいれば、基本的にわたしは自分の資源を嫁に全力で費やすものの海外にいるときだけ例外になる。現地の女性とそうなった縁を大切にし、その女性を全力で幸せにしなさい。これ、嫁の台詞です。もう、こう言われたら敵いません。嫁、本当に大したものです。わたしの嫁は本当に世界一だと思う。結婚生活、はや一年でその境地に達している。聞けば、この境地は子育てし終わった夫婦が晩年にたどり着くものらしい。
普通にカラオケとサイコロを使った上海の罰杯ゲームを行い、ぐでんぐでんになりながらも明朗会計。ボトルもいれましたので、上海に行く際にはぜひ飲んでください。河北先生デザインのいいちこにしておいた。
彼女だけでなく、他の女性も日本の歌をよく知っている。男においてもそうなのだ。昨晩のガールズバーで米津玄師のレモンを歌う人もいた。美空ひばり、山口百恵も上手に歌いこなしている。日本語が本当にうまい。
政府の無能な政策ゆえに、日本の経済がヤバいということを体感で知っている。それゆえに、海外ではもう日本語を話す現地人はいないんじゃないかと諦めていた。しかし、まだまだ日本の経済力も捨てたものじゃなかった。しかし、これから徐々に衰退していく日本社会とともに、海外での円のプレゼンスが落ちていくことを悲しく思う。
わたしはビットコインで資産防衛に成功しているが、今後の日本社会を考えると、ややふせった気持ちになる。可能無限というのだろう。これから海外で遊びづらくなることが非常にもったいない。フィリピンの物価はまだ日本の1/10だと言う。カンボジアやベトナムも円の強さで遊ぶのなら今のうちに行った方よい。
大いなる流れの中で、おそらく、今度は私たちが買い叩かれる番なのだ。
とまれかくあれ、海外の風はわたしを文士にし、つらつらとこうしたブログを現地の空港で書かせる。
上海アートフェアに現場で立ち、上海の雑踏に、日本人よりも活発に生きる、バイタリティーに溢れた人民を見たとき、日本だけに自らの生活の中心を置くリスクというものを感じた。世界に出ることは難しいことだと思っていたが、現場に立ってみると、本気の人間は勝手に世界に目が向くのだと知る。
野球のイチローや松井、サッカーのカズや中田を子どもの頃から自分には遠い、尊敬すべき海外への挑戦者と思っていたが、それはただ単純に自分が本気のものを見つけていなかっただけなんだと気づく。
本気になれば、自然と勢いのある本場に興味関心は映る。ただそれが世界であれば、世界の舞台で、半径3mにあれば、そこにある、それだけのことだった。
お店を出て、店名に気づいた。キャッツアイ、こんなお店だったのだ。聞けば、昔はこの辺りは”赤線”地帯で日本人がものすごく遊んでいたと言う。今は法律も厳しくなり、マッサージのお店もエッチなことはできなくなった。悪質なお店も減ったとのこと。健全に遊びやすくなった。
タクシーで次の場所へ移動、ナイトライフははじまったばかり!上海の夜風はどこまでも心地いい。
案内されるがままに、心を逍遙させる。人間なんてのは、いずれ、土に還る。遅かれ早かれ、みんな還るのだ。
騙されたらそれもまた運命、当たるも八卦、当たらぬも八卦。人生とは、偶有性の海に飛び込んだもん勝ちだ。
VIPのように案内され、席へ。足元をライトで照らしてくれるのが、また乙だ。苦しうない、苦しうない、と横柄な性格になるうちはまだまだ小物。謙虚に謝謝。多謝を連発し、ことあるごとに100元のチップも多めに渡した。
目の前にタモリ倶楽部。本当にタモリ倶楽部しかない。
本当に周りはくそ民しかいなかった。人生をこよなく楽しんでいる。
限りある命の、限りある時間、この場所で酒と音楽をともにしている。
なるほど、これが世界市民というやつか。国籍や肩書きが取れて、ただただ自由になっていく感覚。身体が消え、踊りの概念となる。
一緒に肩を組み、頭を振り、同じくそ民になる。
人生のはかなさ悲しみを知るため、人は酒を飲み、踊る。
くそ民とは、人生の勝者だ。
揺れる意識の中、這々の体で宿へ。
精神的童貞はここで、ヤッただのヤれただの自慢をするだろう。そういうのは粋じゃない。
そういうのは、隠してこそなんぼのものなのだ。秘すれば花。
熱烈按摩絶頂上。
youtubeでイヤホンにジェットストリームを聴く。頬が夕陽に染まる。
上海ハニー、ここに筆を置く。もちろん筆下ろしではない。
魔都に今日も宵が訪れる。このまちは、どこまでも熱く、甘くて苦い。
魔都上海気沸騰
五彩絢爛魂逍遙
芙蓉狂乱咲華柔
熱烈按摩絶頂上
『上海腹上想君』一ノ瀬老師