Renaissance Man

とにかく、あれこれやってみる。

寅さんがまじで面白くて勉強になる件WWW


「偉くなんかならなくていいの」
「ただ地道な暮らしをね」
さくらの名言に、寅さんが沁みる今日この頃です。
実際、アーティストという渡世人稼業をしてみると寅さんの気持ちがすごくわかります。藝大ではなぜか(おそらく予備校の頃の藝大こそ唯一神教育が原因)、働いたら負け思想が今でも根強く残っています。それは。おそらく、働いて幸せそうな同級生へのルサンチマンなのでしょう。
結論から言ってしまえば、作り続けたら勝ちみたいなところが大きいと思います。就職して、安定した収入を得て、さらには家庭も子どもも持ちながら、休日に制作をする、というのが作家として安定した幸せなかたちだと思うわけです。
今の卒業生や修了生は昔よりも賢くなってきている?ので、就職をする率も増えてきた印象があります。それでいいのです!働いたら負け思想を崩すことこそが新しいアートなのではないでしょうか。
「仕事ってのはね、何しても楽なものはないんだよ」
寅さんが面白いのは、汗水垂らして、油塗れになって働くことが大事だと気づいた途端に、油揚げの仕事につくことです。単純脳細胞なところに心を打たれます。もちろん、いつも通り、その油揚げのお店の娘さんに惚の字なのはいうまでもありません。
しかし、案の定、油揚げ屋の娘には恋人がおり、てっきり自分と結婚すると思ってしまっている思い込み力には毎度、大したもんだよカエルのションベン、見上げたもんだよやね屋のふんどし、な訳です。
不器用な寅さん、やっぱり、地道な暮らしは無理だったと悟り、また旅に出るのですが、ここに不器用な、ある意味で多動力強めの人間の悲しい性を感じるのです。
そうやらなきゃ、生きて行けない。そういう悲しいアイデンティー味が切ないのです。そこに寅さんの醍醐味があります。
それと、大人になるに連れての社会学的な側面も面白いです。
今では、100%自主忖度で放送できないレベルの痴呆やアル中、廃人が普通に出てきます。またその演技も絶妙なのです。私も一部の飲み会の席でしかご披露させていただいておりません。とても勉強になります。
また江戸川にはたくさんの船が過密してあったというのも勉強になります。失われゆくテクノロジーと日本の源風景的なものが時を経てみることでより一層素晴らしいものと感じられます。
もののあはれとをかしを併せ持った寅さんという映画は、まさに日本映画史上の宝と言えるのではないでしょうか!
詠める
渡世人
今日も腹へり
道半ば
汗まみれ
油に塗れて
豆腐揚げ
不器用な
生き方しかできず
今日も花咲く

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