寅さん、永遠の恋人・リリー初登場!
待ってました!よ!日本一!
いよいよ寅さん、永遠の恋人と称されるリリーこと浅丘ルリ子の登場です!『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』!
寅さん、北海道網走で場末の三流歌手リリーと出会います。これまでのヒロインとは異なり、自分の境遇に似ていて、人生のすいもあまいも知っている男勝りなリリーに寅さんも同情心から恋心へと変わっていきます。
夜汽車の中、遠くに光る灯(そこには堅気の家族が食卓を囲んでいる)を見るだけで、泣けてくる。そんな人生の悲哀のわかる女性です。
印象的だったのは、柴又のとらやで恋愛の話になり、みんなが茶化しながらこれまで寅さんの恋愛(フラレ話)を総括するシーン。リリーだけは、しっかりと寅さんに敬意をもって聞いていてくれます。
「何百まんべんもほれて、何百まんべんもフラれてみたいわ」
「一生に一度でいい、死ぬほどほれてほれ抜いてみたいわ」
厚化粧をしてタバコを吸い、場末のキャバレーで歌う三流歌手からは一見すると想像できない人間としての誠実で尊厳ある人間の姿が垣間見えます。
色々とタイミングが合わず、結局はそれぞれが旅に出て離れ離れになってしまうのですが、最後のシーンでは、リリーは歌手をやめ堅気の寿司職人の奥さんとして所帯染みた生活を見せます。
社会学的に北海道民の部落の話が出てきたり、浅草雷門の前で商売をするシーンなど、台東区に住んでいる自分としては、ちょいちょいこのまちの昔の状態が知れて大変勉強になります。
タコ社長の工場で皆が知っているものの、あえて触れずに放置され、こっそり付き合っていた若いカップルが空気の読めない寅さんのために破局寸前になるも、男はしっかり愛を伝えろ、とみなからのアドバイス。男も決心し、江戸川土手の川端で大きな声で愛を叫ぶシーンがまたよかった!
詠める、
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厚化粧
場末女の
尊厳姿
Culture You!あ~、世界ってほんと美(たの)しい