Renaissance Man

とにかく、あれこれやってみる。

夏の恥ずかしい詩


 

 

夏の恥ずかしい詩

 

 

部活上がりの帰り道

いつもとちがう街の川沿いを

いがぐり頭が群れをなし

熾熱燈の屋台の道を行きつ戻りつ

あてもなく彷徨して

 

お洒落な副キャプテンはシトラスの香りを脇から漂わせ

闇の中こそっと消えて行く

 

きっとあの子とふたりで

 

 

僕は丸めてしわしわになった汗臭いシャツを

誰にも会わぬからと

ずうっと羽織っている

 

後ろでどどんと音がした

 

 

 

若者よ

 

青春を楽しめ

夏を謳歌せよ

旬はあっという間に過ぎ去る

 

 

若者よ

 

告白せよ

君が恥ずかしき心の内を

広く天下にきこしめよ

 

 

若者よ

 

ニキビなど気にするな

真に恐れるのは自らの弱さだ

制汗剤だけは持っておけ

 

 

若者よ

 

よかったな

愛したことは財産だ

愛さなければ人間としての恥だった

 

 

若者よ

 

 

私は知っている

君が涙にくれることも

ひとり見る花火が

君の生涯の友となることも

 

 

祭りが終わり

人も少なになってきたおり

誰彼会うこともなく

道すがらぽつねんとしてひとり

犬を連れて歩く

 

僕は参道の経を

君は露天の緯を

知らず知らずの内に

 

鳥居の下で

 

僕の目は君の目を捕え

 

君の目は僕の目を捕えた

 

 

君は僕を知ってはいまい

三年間ひたすら認識されなかった

僕と言う風景

 

もう二度と出逢うことのない

君の白熱灯で照らされた

 

長いまつげの

 

二重の奥の

 

瑪瑙のような

 

君の

 

美しい

 

 

 

いっちー

 

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